万葉集の紹介 六
万葉集の紹介 六
草枕
旅に物思い
我が聞けば
夕かたまけて
鳴くかはづかも
くさまくら
たびにものおもひ
わがきけば
ゆふかたまけて
なくかはづかも
旅先で
家郷を恋しく思って しんみりと
耳を澄ませていると
夕暮れが近づいたとばかりに
妻を呼ぶ河鹿の鳴き声が
聞こえてくる
夕方に妻を呼ぶ河鹿の声を
旅愁をいっそう強めるものとして
歌っています
草枕 「旅」の枕詞
夕かたまけて 「かたまく」は、待ち受けていた時が近づく意
人は寂しい時 悲しい時には
感じ方は 当然 変化しますし
自分の周波数に合うものを
自然と引きつけ とらえ方も
そうした色調をおびるものだと
そんなことを 私は この歌を読んで思いました。
それと 家郷を恋しく思っている作者と河鹿の鳴き声 その大合唱がきこえてくるようです。
きっと 作者は この河鹿の鳴き声が 家郷の妻の耳にも聞こえてほしい
届いてほしい と思ったことでしょう
今すぐ 会いたいのだよ と
そうした せつない気持ちが この歌を私にとって とても印象深いものにしています。
作者の気持ちは 遠く家郷の妻には聞こえなかったかもしれません
けれど 時を越えて 今
万葉の作者の心は 私に届きました。
この歌のせつなさが届きました。
とてもいい歌だと思います。
皆さんは どう思われるでしょうか?
2008.1.21.TW
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